はじめに閲覧されるべきもの

大切なことを書いたり、書かなかったりします。

テレビの隙間


一番最初に見たテレビには回すダイヤル式チャンネルが付いていた。
Φこんな感じの、ガチャポンのレバーみたいな。


上部のガチャガチャうるさいチャンネルをUに合わせて
下部の滑らかなチャンネルを絶妙な感覚で回し
職人芸のように周波数を合わせて番組を観ていた(関東圏以外)。


昔の漫画で見たように
チャンネルを引っこ抜いて隠したりするようなことはなかった。
有線のリモコンや、扉がついたテレビも見たことは無かった。


テレビを叩くという真空管時代の達人技も学ぶことはなかった。


次に見たテレビはボタンが沢山付いたテレビだった。
一つのボタンに一つのチャンネルが割り当てられ、
ボタンをバシバシ押して、チャンネルを変えた。

ファミコンをつなぐ時には剥き出しの配線で何かを繋いでいた。
お父さんが。


次に見たテレビには衝撃を受けた。


ワイヤレスリモコンの登場だ。
リモコンは瞬く間に家庭に入り込み
家族を支配した。


テレビ大好き世代は
座椅子やソファーから立ち上がることをやめた。


「お母さーん!リモコンはー?」


リモコンは一定時間毎に逃亡を繰り返し
家族は常にリモコンを探していた。
ソファーの隙間、ゴミ箱の中。
こんなとこにいるはずもないのに。


日本人は全員リモコンの奴隷となった。
テレビ大好き世代の主婦はみのもんたの傀儡となった。


昔のテレビは
奥行きがやたら長くて
消費電力が高くって
画質もイマイチだった。


家族で集まって1台のテレビを観ていた。


ムカシは良かった、って年寄りはすぐに言い出すけど
冷静に考えると意外とそうでもない。


あ。


でも、そういえば
昔のテレビのリモコンは
ちゃんとテレビに収納できていたような。