はじめに閲覧されるべきもの

大切なことを書いたり、書かなかったりします。

紅線

鶴ケ岡八幡宮。


いつの日かわたしを幸福へと導く
素敵な運命の赤い糸。


わたしはきっと素敵な誰かと運命の赤い糸で結ばれている。


わたしだけじゃない。
みんな本当は誰かと運命の赤い糸で結ばれてる。
みんな本当はその存在気づいているのに
気づかないふりをしているだけ。


だって、今までに付き合った彼氏のことを思い返してみても
その出会いはいつだって本当に偶然で。
ほんの気まぐれで通った英語教室だったり。
酔っぱらって送っちゃった些細なメールだったり。
友達との付き合いでイヤイヤ行った合コンだったり。


赤い糸で結ばれたわたしの運命の人。
まだ出会ってない人なのかな。


わたしは運命の人の存在にまだ気づいていない。


『未来はいつだって白紙だ』
って元カレは言ってた。


でもそんなの嘘だよ。


わたしはもうAKBにも入れそうもないし、
女子アナにもなれそうにない。
AKBなら入れるかな??


わたしが歳をとっていくにつれて
わたしの可能性は少しずつすり減っていく。
口に入れたキャンディがどんどん小さくなっていくみたいに。


わたしは運命の人の存在にまだ気づいていない。
わたしの運命の人もきっとわたしの存在に気づいていない。


わたしの運命の人はきっと素敵な人だから
今もきっと彼女がいるんだろう。


わたしの運命の人はきっと優しい人だから
今の彼女にもきっと優しいんだろう。


わたしの運命の人は今頃、
わたしじゃない誰かの手を握ってる。
わたしじゃない誰かの隣で
わたしじゃない誰かのことを考えてる。


わたしの運命の人にとって
今のわたしは赤の他人。


くるしいよ。


なんでわたしに気づいてくれないの。


わたしは気づいてしまった。
わたしの可能性は本当は無限大なんだ。


そして、いつの日か、必ずわたしは死に至る。
それ以外の点で、わたしは完全に自由だ。


わたしの運命の赤い糸。
それは素敵な運命の人なんかと繋がっていない。


運命の赤い糸。
それは死と繋がっている。


わたしだけじゃない。
みんな本当は死と運命の赤い糸で結ばれてる。
みんな本当はその存在気づいているのに
気づかないふりをしているだけ。


いつの日かわたしを幸福へと導く
素敵な運命の赤い糸。


わたしの目に最後に映っていたのは鏡に映ったわたしの姿。
わたしの首にはロープが深く食い込んで赤い血が滲んでいた。


真っ赤な夕日の中で、その人が優しく微笑んでいた。


そっと、私の手を取って。